2019/02/26
美術館で涙してしまったのは久しぶり。
花粉症の時期で良かったな。
品川にある原美術館で開催中の
ソフィー・カル展「Exquisite Pain ー限局性激痛ー」を訪れた。
私が学生だった頃とても話題になったソフィー・カル。
今回は1999年に展示された作品の再現展。
展示を見歩んでいくうち、
その作品に感情移入しすぎて
美術館の狭い部屋の中で鼻水を流しながら号泣してしまった。
ソフィーが実際に体験した失恋による心の痛みと、
その心の治癒の過程が文章と写真で構成されている。
彼女は自分の「失恋」という不幸話を他人に語り、
代わりに相手からも人生で最も辛かった経験を話してもらう。
それを繰り返すことで、
自身の心の痛みが少しずつ癒やされていく。
展示されている作品には、
失恋の瞬間にいたホテルのベッドの写真が何度も繰り返し使われ、
失恋をした最悪の日から、3日・・5日・・・10日・・・・20日・・・・・2ヶ月・・・と経つにつれ、
日に日にソフィー本人の心の傷が癒えていく様子が描かれている。
人ってショックを受けたその瞬間に、目の前にある風景はいつまでも色褪せず鮮明に記憶に残り続けるし、
人の心が癒やされていく時って、
正にこういう過程をたどっていくよね。
ソフィーの心の微妙な変化と繊細な文章、
そして他人の不幸話、全てに感情移入しすぎた。
周りの人から泣いてるなんて気づかれないよう、
花粉症のフリして鼻かんだけど。とても泣けたな。